保育士不足の原因
保育士は介護士と並んで、特に人手不足の業界と言われています。
保育士不足の原因としては、いくつか考えられます。
まずは、保育園の求人倍率は、少なく見積もっても2倍程度、多いと5倍程度にもなります。
多くの保育園で求人を出しており、保育士として働くには、よりどりみどりで困らないような状態です。
その反面、実際に保育士の資格を取得しても、保育園で働く人は50%程度しかなく、半数は資格取得しても保育士にはならないのです。
給料と労働時間
保育士の給料は安く、どの保育園で働くとしても、年収は300万円に届くかどうかぐらいです。
20代の平均年収が、新人だと300万円に届きませんが、通常OLなどとして働くと、年齢とともに給料は上がり、30代で350万円、40代で420万円以上になっていきます。
しかし、保育士では新人の時こそ他の職種と年収は変わりませんが、30代40代になっても、300万円を超えるかどうかぐらいであり、給料が安いです。
また労働時間も長い職場であり、早朝保育や休日保育、延長保育と、定時以外の仕事も多く、長時間労働になりやすいです。
長時間労働であれば、その時間に見合った給料が出ればまだしも、長く働いても給料は安いのが現状です。
女性特有の職場
どうしても女性が多く、女性保育士のみの園も多く、女性特有の職場になります。
それは、自然と派閥が出来てくる、陰口が多い、陰湿ないじめが起こるなどあります。
もちろん円満な職場も多いですが、どうしても女性だけの職場は、このような環境になりやすいのです。
また女性が多く働く職場なので、結婚や出産で退職する方も多く、これも保育士不足に繋がっています。
保育士を増やすために
准保育士制度
保育士不足を解消する1つの方法として、准保育士制度が考えられています。
これは、育児経験を持つ女性が3ヶ月間講習を受けると、保育園で働けるという制度です。
ただこの制度については、賛否両論あり、反対意見も多いです。
3ヶ月間では保育士として技術も知識も得られない、また経験の浅い保育士が誕生することによって、保育士全体の給料が下がるのではないかという懸念もあります。
保育士の給料を上げる
保育士を増やすためには、少なくとも一般的な企業で働く女性と同じぐらいの給料にすべきです。
しかしそれは、難しい面もあります。
まず保育士の役割は親の補助としての考えがあり、それほど重要視されていません。
また、保育園自体も、運営は国の補助に頼っている園も多く、保育士にぎりぎりの給料を払って運営しているところも多いです。
保護者から高い保育料をもらうために、保育園として差別化しても良いでしょう。
英語などの英才教育を行う園や、スポーツなどを行わせるなど、園ごとに他と差別化すれば、高い保育料を獲得できるかもしれません。